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浅田真央ちゃんの1ファンの精神科医として思うこと
JUGEMテーマ:ニュース
日本橋の高島屋で、「浅田真央23年の軌跡展」が開催されていました。
ご本人もお忍びで見にきたりと超話題となり、大勢の来場者が連日絶えなかったようです。
でも、私はなぜか行く気になれませんでした。
高島屋の近くを毎週2回は通っているというのに。。。

なぜかよくわかりません。
高島屋のショーウィンドーには全てに大きな彼女の写真と
「感動をありがとう」の文字が大きく掲げられていました。
ソチオリンピックが終わって以来、
彼女が語られるときはすべてこのタイプのフレーズです。
浅田真央ファンの私としては、なぜかそれがイヤなのです。
「感動をありがとう」っていう表現を彼女の代名詞化してしまっているメディアに
なぜか嫌悪感を覚えます。

誤解されてはいけないので、声を大にしていいますが、
私はずうっと前から浅田真央ファンで、彼女を陰ながら応援する一人でした。
彼女がバンクーバー五輪で2位となって悔し涙を流していたときも辛かったし、
その後のジャンプ大幅改良計画のため、長い不調に陥っていたときも
ハラハラしながら、でも絶対復活するって信じて応援してきました。
そしてソチ五輪。
心から彼女の金メダル獲得を応援していた一人でした。
ですが、結果は・・・6位。
金メダルは熾烈な争いで逃したとしても、
本来彼女の立ちべきところは表彰台のいずれかだったはずです。

たしかにショートプログラムの大失敗を大きく凌駕するパーフェクトなフリーで
世界中は大きな感動の渦に包まれました。
私ももちろん大きく感動した一人です。
でも「感動」だけで片付けてもいいのか?
常にそう心のどこかで感じて、今にいたります。
 
彼女はおそらく悔しいはずです。その後の世界選手権に優勝しても
おそらく今も悔しいはずです。
その悔しさは、バンクーバーの時のそれとは違った、
きっとご自身の中でも釈然としない不快な中途半端な悔しさだと想像します。
「感動をありがとう」って言われても、本当は嬉しくないんじゃないかなと
私は勝手に想像しています。

今回の五輪でパーフェクトな演技をして、キムヨナに負け、ソトニコワに負けたのなら
爽やかなやりきった感のある悔しさで、
「感動をありがとう」って言われても、きっとピッタリくるのではないか?
と私は勝手に想像しています。

現役続行の可能性はハーフハーフだということですが、
たぶん迷っているのでしょう。
今の中途半端な悔しさの中で、現役続行すると決断する
気力や心のエネルギーが出ないのだと思います。
かといって、現役をすっぱり止めるという
やりきった感もないのでしょう。

今回のショートの大きすぎるミスは、
彼女一人のメンタルの弱さではないと思います。
一言でいうと、彼女を支える体制の失敗、戦略の失敗です。
あれだけの重責とプレッシャーを背負って立つ選手に対して
あまりにも無防備にマスコミにさらし、試合に駆り出し、
無駄に気力・体力ともにエネルギーを浪費させた。
彼女がベストな最良の状態で競技するために必要な
心身のケアやサポートをする体制づくりを怠った。
あきらなかな戦略ミスです。
キムヨナ選手がずっと怪我治療という名のもとに世間の雑音から雲隠れし
ソチ入りも直前まで遅らせて、心身に負担の少ない母国で調整し、
プレッシャーやストレスが最小限になるようにコントロールされていたのに対し
浅田真央さんは対極的な状態に置かれていました。
彼女の周りのコーチや関係者、そしてマスコミ・メディアは、
もっと今回の結果を真剣に分析し、彼女に光を与えてあげて欲しいと切に思います。

精神科医として思うのは、彼女の今回のショートの大失敗は
極度の緊張とストレスによるイップスに近いものだと思います。
イップスはスポーツ選手に特有のメンタルの病気です。
大きな周りからのストレスや緊張、結果を求めすぎるあまりの過度のプレッシャーによって
体が突然鉛のようになって動かなくなる病気です。
恐ろしく過酷で気の遠くなるほどの練習と訓練によって
完璧な動きを作り出してきた脳と体の連携システムが
一瞬にして正常に動かなくなってしまうのです。
今回の彼女のショートの、不可解すぎるほどの大きなミスの連発は
それ以外に考えられないと思います。

でも真央ちゃんは重症のイップスではないと思います。
五輪でも金メダルというプレッシャーがなくなれば、超素晴らしいフリーが完璧にできたし、
世界選手権ではさらにパーフェクトな演技ができたから。
今のうちに、強力なメンタルサポートやケアをして、
かつ強力なマスコミ対策やスケ連対策ができるブレーンをもてば
きっと次回の五輪までに回復させることができると思います。
そのサポート体制が、今の彼女にはないんじゃないのかな?と思います。
だから彼女は、このまま現役を続行しても、今回と同じ結果になるかもしれないことを
恐れているのじゃないのかな?と勝手に想像します。
だって彼女は彼女ができる最高の努力をこの4年間
血のにじむような練習と努力で積み上げてきた結果が、これだったのだから。
自分の努力だけではどうにもならない現実を突きつけられて
半ば絶望しているのではないでしょうか?

佐藤コーチはきくところによると、昔ながらの根性論コーチみたいだし、
あるスポーツ誌記者にきいたところ、彼女にはメンタルトレーナーや
心をサポートするプロフェッショナルがいないという。
あれほどの一流アスリートが、メンタル面のプロフェッショナル・サポートを
受けていないというのは信じられない驚きです。
浅田真央ちゃんが、もう一度、五輪の舞台に立って
彼女の本当の選手生活の集大成を飾るのは、今までとは違うサポートチームが
絶対に必要だと思います。
それが構築されて、彼女のメンタルを強力にサポートするシステムが出来上がれば、
きっともう一度チャレンジする気力とエネルギーが、彼女の中に湧いてくると思うのです。

たとえばもっと彼女に不要なプレッシャーやストレスがかからないように
マスコミから上手く隔離するマスコミ対策や
今回のように五輪前にたくさんの試合や団体戦に出て無用な疲労を貯めさせないために、
スケ連やスポンサーに上手に交渉するためのブレーンを持つ。
彼女の魅力は天真爛漫な笑顔と天使のような美しい透明感なんだから、
もっと彼女が笑顔で滑れるメンタル的に「気持ちよくテンションが上がる曲」を選ぶ。
かつ審判員にも彼女の魅力を最大限にアピールできるイメージ戦略を練る。
素人目でみても、ノクターンは大人しすぎて地味すぎ、ラフマニノフは暗くて重厚すぎだと思います。
あの曲では、彼女はリラックスもしないし、ワクワクもしないし、
審判員にも彼女の魅力が十分にアピールできなかったのも当たり前です。
アップテンポなメジャーコードの音楽には心をワクワクさせる効果、
静かなメジャーコードの音楽には心をリラックスさせて平常心を取り戻してくれる効果があります。
ノクターンはメジャーコードですが、もともとがショパンのピアノ用の小曲で、
あのような大舞台ではあまりにも地味すぎ。
ラフマニノフは、作曲者本人がうつ病でずうっと悩んでいて
今回の曲はまさにうつ病から治りかけに作ったという逸話を持つ
お世辞にも明るいエネルギーで満たされているとはいえない曲です。

音楽のメンタル効果を活用して、彼女がワクワクしながら楽しめる曲を選べば
五輪のような大舞台でも緊張が緩和できると思います。
ちなみに荒川静香さんは五輪直前に自分が大好きな曲「誰も寝てはならぬ」に変更し
その音楽を競技直前まできいてリラックスして気持ちを高めていたそうです。
キムヨナ選手は彼女の小悪魔的かつクールな魅力を引き立てる選曲が常に見事であるため、
実力以上の出来栄え点が加点されていたのだと想像します。(特にバンクーバー)
コストナー選手の今回の選曲のアヴェマリア、ボレロとも
大人の女性としての魅力を最高に引き出していたと思います。
羽生君や町田君の選曲も見事でしたよね。彼らの若くて清々しい魅力とエネルギーを
存分に引き出していた曲でした。
浅田真央さんがバンクーバーに引き続き、
なぜあのようなミスマッチでメンタル効果の乏しい曲ばかりを
選ばされていたのか首をかしげたくなります。

曲だけではありません。彼女の試合前の環境にももっと配慮してもらいたい。
例えば真央ちゃんをもっと試合前にリラックスして楽しめる会話相手や空間を用意する。
残念ながら、表情の少ない硬い雰囲気の佐藤コーチ一人では、
彼女のメンタルの緊張を緩和する効果は乏しいでしょう。
お母様がきっとその役を以前はされていたと思いますが、残念ながらお亡くなりになってしまった。
しかも今回はお姉さんの舞さんの同行もありませんでした。
スポーツ記者さんによるとお姉さんの舞さんが、真央ちゃんの心をほぐすキーパーソンだそうですが、
今回はスポンサーの契約がらみの問題があって同行できなかったのではないか?ということでした。
また舞さん一人に真央ちゃんの心のケアを丸投げしている体制も問題だと思います。
舞さんは彼女とあまり年の離れていない姉妹ですから、
いくら仲が良かったとしても荷が重すぎる役目です。
(どんな仲の良い姉妹でも、いろいろと心の奥底で目に見えない葛藤がありますから)

彼女は典型的なメランコリー親和型気質といって、周りの人の顔色を読んで
人一倍気を使い、自分を殺して周りの人に合わせるタイプだと思います。
だから自分のわがままや辛さをがまんしてしまうため、表情や言葉に出せません。
無理にでも笑顔をつくって、他人の要望や期待に応えようとしてしまいます。
今回の選曲や、今回の団体戦に出るという選択も
本当は真央さんの本音ではなかったのじゃないかな?なんて思うのですが・・・。
彼女のストイックさに拍車をかけるような人達じゃなくて、
彼女がもっとわがままを言ったり、甘えられる人たちで囲んであげる。
そして彼女に無理なことを要求する無責任な外野から守ってあげる。
そうすると、五輪前の尋常ではない緊張感も緩和できると思うのです。

そして私達ファンは、彼女に金メダルを望まないこと。
私たちを今までたくさん感動させてくれた彼女に対して、
次の五輪こそ「結果はどうでもいいから、真央ちゃんが心から満足する
パーフェクトな演技を、楽しんで気持ちよくやってください」という
エールを送り続ける事。
彼女は私達国民が、金メダルを!と期待するから
金メダルをとらなきゃいけないって、自分自身を駆り立ててしまうのです。
私達ファンやメディアが、彼女に金メダルを期待しなければ、
彼女の中の過剰な金メダルへの執着心が軽減し、
無用な緊張やプレッシャーが減ってイップスのような症状も
起こらなくなってくると思います。

と、真央ちゃんを思うあまり、勝手にいろいろと思うことを書きました。
私は彼女とは直接面識がないから、本当のところはわかりません。
勝手な思い込みもあるでしょう。
スポーツメンタルを専門としているわけでもありませんから、
見当違いのこともあるでしょう。
でも高島屋の浅田真央展を見て、書かずにはいられませんでした。
「感動をありがとう」だけで彼女の今回の結果をきれいごとで片付けてしまうのではなく
「感動をいっぱいもらったから、もう周りのことは気にしないで。
 今度こそ真央ちゃん自身のために、本当に満足できる集大成にするために
今度こそ本当にオリンピックを楽しんでください。」
とエールを送りたい。
でも真央ちゃんに「もう一度オリンピックを」と言えるだけの
強力なサポート&ケア体制が見えないので、
満身創痍の彼女に対して、無責任に「頑張って」とも言えない。
あ〜なんともいえず、ソチ後に後味の悪い気持ちを引きずっている私です。
せめて1ファンの私にできることとして、
浅田真央さんが、今の中途半端な気持ちのまま引退されず、
心から笑って満足して選手生活の本当の集大成ができますように
心から祈り続けたいと思います。





 
| 精神科医&作家 奥田弘美 | ストレス・うつ病 | 18:22 | - | - | - | - |
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